Complete text -- "いま、会いにゆきます"

29 May

いま、会いにゆきます

S−ちゃんからお見舞いに来てくれると言う連絡がありました。

松葉杖生活で出かけることもままならず、レンタルビデオを借りることさえも困難な私は、なんか貸しておいてもいいDVDあったら持って来て!とリクエストいたしました。

S−ちゃんのダンナさんは仕事で中国に行くことが多く、日本映画のDVDが安く買えるそうで、中国みやげのDVDをいくつか持って来てくれました。
その中に「いま、会いにゆきます」があり、S−ちゃんは「これはつまらなそうだから見てない」と言っていました。実際私もつまらなそう...というかいや、作品的に優れていたとしても、こういった(推定)若い子向けの純愛ものは、私のような世知辛い世の中で酸いも甘いも噛み分けてしまったオバサンにとっては白々しい絵空事と写ってしまい楽しめないのではないかという杞憂がありました。

ま、ひとりでじっくり見るのに気恥ずかしさもあるし、ここはオバさん同士で重箱の隅を突つくように揚げ足でもとりながら見るのが私たちにとって正しい鑑賞方法であろう...と一緒に見ることにしました。

まず、映画を見る前に、パッケージに記載されていたあらすじをみて侃々諤々!以下、原文のまま!

妻の澪(竹内結子)に先立たれ、息子の佑司(武井証)と2人で暮らす夫の巧(中村獅童)。亡くなって1年後の梅雨の雨の日、森のなかにある廃屋(?)で澪と再会する2人。しかし、彼女は一切の記憶がない。2人はそんな澪を優しく迎え入れ、新しい生活が始まる。しかし...
観に行く予定はなかったのに、行っちゃいました。何かに引き寄せられるように。予定がなかったというのは、泣かされるのがわかってたから。案の定泣かされました(笑)
森の中で澪と再会する場面は新鮮な感じがしましたが、映画の前半は淡々と物語が進んでる感じでした。しかし、澪が自分の日記を読んでからエンドロールまでがすっごくいいっ。

...?アンタの感想文、途中から...!?しかも素人丸出しの稚拙な文章ながら、誤字脱字がひとつもなく、スラングまでも駆使したネイティブっぷりは、どう見ても確信犯!

その下に中国語でかいてあるらしきあらすじは、漢字から推定しても、もっと客観的にあらすじを正しく書いてるように見えるし、それ以外の日本語表記は『予あ乙了承ください。』など誤字だらけ、きっと、日本語のあらすじ部分だけは、日本人のギャル留学生などが、たまたまアルバイトで請け負い「どうせ誰も読めないんだから、イタズラしちゃお!」と適当書いて、案の定ノーチェックのまま入稿されたとしか思えません。。
ま、まずひとしきり、その問題について言いたい放題ふたりで騒いだあと、本編鑑賞...

そして、意外にも...胸を打たれてしまいました...
今、思い出し泣きをしながら、これを書いています。

そして、これをみて、心を動かされる感性が自分にまだあったことをうれしく思います。

最近(というかここ数年ですけど)自分の感性が年とっていてコワくなる時がよくありました。
若い頃(20才前後?青春時代!?)夢中になって読んだ本(吉本ばなななど)を今読むとスゲー!!つまらなくって、もうカッとしてしまってゴミ箱に本を投げ捨ててしまったり、逆に若い頃(20才前後?青春時代!?)、読み始めたけど、意味わかんないし、おもろくない!と思って、途中でほっぽってあった本を読んで、シンパシーを感じて心打たれてしまったり...(だいたい昔を振り返るようなストーリーが多かったりする...)

あー、私は年を取ってしまったんだなあ、、汚れちまったんだなぁ..と思っていたので、「若い子向け」に近寄って、またゴミ箱に投げ捨てて、そのあと自分の感性のニブさに落ち込まないように、心にバリア〜を張っていたところがあったので...

しかも、散々けなしたあのあらすじを今はうなづきながら何度も読み返しています。
「澪が自分の日記を読んでからエンドロールまでがすっごくいいっ。」

澪が、ふたたび姿を消してしまったところで、終わりかな?と思って、すでにちょい胸を打たれて動揺しながらも、早速揚げ足取りを始めていた私なのですが、そこから、また時間が巻き戻って、例の澪の日記部分が始まります。。私のセオリーとして、悲劇的なストーリーにはどこかで救いがあって名作になります。この場合、救いがこの日記にあるんです。ギャル留学生よ、わかってるじゃあないか!?あぁ、ホント思い出し泣きで、ぐちゃぐちゃです。

だけど、やっぱり最後に揚げ足とらせてもらうけど、澪(竹内結子)、なかなかの卑怯者だよね!夫と息子に悲しみを与えるとわかっていながら、自分の欲望貫いたってことでしょ?しかも、それを隠して、むしろ、夫、息子に罪悪感を持たせて、謝らせて許しているけど、ホントはお前が「ゴメン」というべきだろ〜!

ま、でもその与えた悲しみ以上の、幸せ、生きて行く上でのモチベーションをふたりに(というか夫に)与えることができたのは、あなただけだったのですね。何度も惹かれ合ってしまうたったひとりの相手に出会ってしまったのですからね。

私にもそういう相手はいるのかなあ〜?
やっぱ、こう疑い深い性格になってしまったらもう合う相手はいないかな〜?ピュアな若い時じゃないと...!
20:58:23 | momo | | TrackBacks
Comments

ラミー wrote:

私も見てないです・・・というのは内容とかではなく絶対に親とか子とか死とか動物のテーマは泣いてしまうのであえて避けております・・・そういえば竹内結子は「この撮影の時の三人でいるシーンがとても幸せでした」と前に話してたけどきっと中村獅堂と一緒ってとこが幸せだったんだろうね。でもたまには泣いてぐちゃぐちゃになる日を作るのは精神バランスにいいらしいよ!!私も今度見てみようかな・・・
06/02/06 01:52:17

momo wrote:

そうなんだ〜、では次は、ダウンタウン(ふるっ!)のビデオでも、借りて爆笑してバランスとるかな!?

この映画は泣いちゃうと思うけど、泣いて泣いて見終わったあともずっとブルーになるような北の国からみたいな(?)感じじゃなくて、最後には「これでいいのだ」とい気持ちになれるから後味は悪くないと思います!

そういえば、昔聞いた話だけど、映画とか、ドラマで共演した俳優さんたちってだいたいできちゃう...っていうかやっちゃう?みたいね!でも、それも若いうちなのかな〜。

私も以前は会社で隣の席、みたいに毎日顔合わせて一緒に仕事してる人にはだいたい情が移るというか、ちょっとした特別な感情が芽生えることが多かったです。しかし、この年ともなると、イライラして嫌いになることはあっても、まずLOVEなんて...ありえん!
06/04/06 11:42:18
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